コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングでKPIはどう決める?設定方法を段階別に解説

自社Webサイトやブログなどオウンドメディアでコンテンツを発信し、最終的に自社の利益につなげる「コンテンツマーケティング」ですが、コンバージョンまでにはさまざまな工程があります。

そのため、「思ったように効果が現れない」「効果的に運用できているかわからない」「必要性を的確に上司に説明できない」といった悩みや疑問を持つ担当者も多くいらっしゃるでしょう。

これらの問題を解決するためには、コンテンツマーケティングにおけるKPI(重要業績評価指標)を理解し、現在の運用フェーズにあわせた適切な設定が効果的です。

そこで今回の記事では、コンテンツマーケティングの必要性や、KPIにはどのような項目が活用できるのか、KPI設定を行うにあたっての基準など、コンテンツマーケティングについてのさまざまな内容をわかりやすく解説します。

今コンテンツマーケティングが注目されている理由

今コンテンツマーケティングが注目されている理由

コンテンツマーケティングの必要性を多くの企業が実感し始めたのは近年のことですが、注目を集めるようになったきっかけには、時代の流れが深く関わっています。

コンテンツを通じて潜在ニーズを掘り起こせる

今までは「広告をうつ」ことがマーケティングにおける絶対的な手法でしたが、消費者が自ら情報を収集できるようになった現代では、興味・消費の方向が分散し、「商品を欲しがっている人」へのアプローチは残り少ないパイを奪い合う非効率的なマーケティングになってきました。

そこで、自社のメディアで有益なコンテンツを発信して潜在ニーズを掘り起こし、ユーザーを顧客にできるコンテンツマーケティングが効果的な手法として顕在化してきたのです。

従来のWeb戦略が通用しなくなってきた

Web上でのマーケティングでも、かつては広告が効果的でした。

インターネットの入り口である巨大ポータルサイトの広告欄に高い広告費がついていたことなどがその表れです。

また、他のサイトから自社のサイトへの被リンクが多いほど検索エンジンから有用だと評価され、検索結果に高順位で反映されるなどの対策しやすいルールで運用されていたこともあります。

しかし、今では、記事の内容、つまりはコンテンツの質がユーザーへのリーチに直結する時代になってきています。

その結果、従来のWeb戦略は広告色が強すぎるとして、Googleからペナルティを受けることもあるほどです。

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コンテンツマーケティングは売上増につながるKPI設定が重要

コンテンツマーケティングは売上増につながるKPI設定が重要

コンテンツマーケティングの効果測定を最終的な利益率、コンバージョンだけで測ることは適切とはいえません。

売上増を最終着地点としつつも、KPIを段階ごとに細かく設定することでプロジェクトの進捗・方向性の正否を判断し、軌道修正ができるのです。

具体的には以下3つのフローに分けられます。

①コンテンツへの流入に関連するKPI

②エンゲージメントに関連するKPI

③契約・購買に関連するKPI

また、これら段階的なKPI設定は具体的な数値で表せられるため、上司に有効性を示す際にも役立ちます。

①コンテンツへの流入に関連するKPI

ユーザーを自社サイト・ページに誘導する「コンテンツへの流入」の工程に関しては以下の項目をKPIとして用いることができます。

KPIには、コンテンツやブランドの認知度を測る指標となるものが多く存在します。

KPI 内容 何がわかるのか
PV(ページビュー)数 一定期間内に閲覧されたページの総数です。 コンテンツがどのくらい閲覧されているのか、単純ながらも最も強くそのサイトの存在価値を示す指標です。
UU(ユニークユーザー)数 サイトを訪問したユーザーの総数です。同じユーザーであれば複数の訪問があっても1人としてカウントされます。 リーピーターではなく、新規のユーザーを取り込めているかを計測する指標になります。
セッション数 サイトへのアクセスからはじまり、ページ変遷なども包含する一連のアクションの数です。 訪問数と言い換えることも可能です。 UUの数とあわせて、短期間にどのくらいの再訪問者がいるのかを測定できます。
SNSシェア数 TwitterやFacebookなどで発信した投稿がどのくらいリツイート・シェアをされたかの数です。 SNSでの情報発信が効果的に拡散されているかを確認できます。
検索順位 Googleなどでキーワード検索をした際に、コンテンツが表示される順位です。 SEO対策に成果が出ているかの指標となります。 また、検索流入の拡大が見込める裏づけにもなります。
検索表示回数 ユーザーの検索結果にコンテンツが何回表示されたかを表す回数です。 コンテンツに設定したターゲットキーワードが適当であるかがわかります。 また、ユーザーの検索意図を解釈し、より需要を追ったコンテンツづくりの材料にもなります。

②エンゲージメントに関連するKPI

ユーザーからそのコンテンツへの関心・反応があることを「エンゲージメント」と呼びます。

コンテンツがユーザーにとって有用であったか、需要に見合っているかなど、以下をKPIとすることで推測が可能です。

KPI 内容 何がわかるのか
いいね数 SNSに投稿したコンテンツに対してついた、「いいね」の数です。 SNSの投稿に興味を持ったユーザーがどのくらいいるかがわかります。
個人情報取得数 メールマガジン登録や会員登録などで獲得したユーザーの個人情報の数です。 電話番号やEメールアドレスなどを開示させるほど興味・関心をそそるコンテンツであるという裏づけになります。
Cookie数   自社サイトのデータをCookie保存しているユーザーの数です。 自社のサイトに以前アクセスしたことがあるユーザーの数として判断できます。
再訪数   以前自社サイトに訪れたユーザーが、再度訪問した際にカウントされます。 ユーザーに「定期的にチェックしよう」と思わせるほどに有用性のあるコンテンツを発信できているかを判断する指標になります。
回遊率   1人のユーザーが1回の訪問で閲覧したベージ数から算出した数値です。 この数値が高ければ、充実した内容のコンテンツを多く作成できていると読み取れます。
滞在時間   1訪問または1人のユーザーあたりの、サイト内にユーザーがとどまっていた時間を計測したものです。 コンテンツの内容をユーザーが本当に読んでいるのかを推測できます。 30秒以下が短時間、5分以下が中時間、それ以上が長時間と考えます。 短時間が多い場合はコンテンツの質に問題があります。
スクロール率 読了までにスクロールが必要なコンテンツに対し、どのくらいまでユーザーが画面をスクロールしたかを示す数値です。 コンテンツの内容にユーザーが関心を示しているかを見ることができます。
直帰率 ページを開いてから直後に離脱をしたユーザーの割合です。 この数値が高いと、コンテンツのタイトルやサイトのUIなど、ひと目見てわかる部分でユーザーに「見る価値のないサイトだ」と判断されたことがわかります。 またはサイトのファイルサイズが適切ではなく、読み込みが遅いなどの理由も考えられます。

③契約・購買に関連するKPI

最終的な成果を測る指標に活用できるKPIです。設定されるコンバージョンはそのサイトの運用目的によってそれぞれ異なります。

たとえばECサイトであれば商品の購入、インバウンドを狙うサイトであれば掲載連絡先への問い合わせなどです。

KPI 内容 何がわかるのか
CV(コンバージョン)数 設定している最終成果までに到達した案件の数です。   期間や、かかった予算を元にROI(投資対効果)がどのようであったかを計測できます。
イベント参加数 サイトの訪問をきっかけに獲得したイベント参加人数です。 イベントへの誘致をコンバージョンとする場合には、イベント参加者数をもってROIを測ることができます。
問い合わせ数 サイトの訪問をきっかけに獲得した問い合わせの数です。 インバウンド獲得やサービスの紹介メディアの最終成果です。 資料請求などが含まれることもあります。
会員登録者数 サイトの訪問をきっかけに獲得したサービス会員の数です。 エンゲージメントのKPIとしても利用されますが、サイトが情報提供を目的としているものであれば、会員登録者の数が成果となります。

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コンテンツの成熟度によって設定すべきKPIは異なる

コンテンツの成熟度によって設定すべきKPIは異なる

KPI設定に活用できる項目を多数紹介しましたが、これらすべてをはじめから測定しても、芳しい結果は得られません。

メディアの立ち上げ当初はまずは流入に力を入れるためのKPIを定めるべきであり、エンゲージメント関連のKPIは、ある程度認知され、訪問者が増えてからでないと測定にも意味がありません。

メディア立ち上げ初期に設定すべきKPI

UU数、セッション数、SNSシェア数、検索順位、検索表示回数

これらは自社メディアが「ユーザーの目に触れているか」を判断する指標になるKPIです。

コンテンツマーケティングは、まず認知されることからはじまるため、これらの目標のクリアからはじめることが効率的です。

メディアが成熟してから設定するKPI

PV数、再訪率、回遊率、滞在時間、スクロール率

これらはコンテンツの質が良質であるか、ひいてはユーザーの関心を惹き、見込み顧客をつくれているかの指標になります。

また、既存顧客をつなぎ止められているかもこれらから判断できるため、達成後も常にその変遷に気を配る必要があります。

最終的に設定するKPI

CV数

最終的な成果であるコンバージョンの数はそれまでのKPIをクリアしてから目標を設定するべきです。

はじめからCV数を意識してしまうと、コンテンツ自体も広告色の強い違和感のあるものになってしまいますので注意してください。

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まとめ

コンテンツマーケティングとは、オウンドメディアにてコンテンツを発信し、それを閲覧したユーザーを顧客に育てていくという、潜在需要を掘り起こすマーケティング手法です。

運用にあたってKPIの設定は重要ですが、コンテンツマーケティングはメディアの立ち上げからコンテンツの作成など、収益化までの道のりが婉曲的であるため、はじめからコンバージョンの数をKPIにしてしまうと成果が出ていないように見えてしまいます。

そのため、KPIの設定はメディアの成熟度合いにあわせて行うべきです。

立ち上げ初期であればメディア認知の指標となるUU数やSNSシェア数、検索順位などを、ある程度の認知が得られた後であればコンテンツへの興味・関心を測れる再訪率や回遊率、滞在時間などをKPIに設定しましょう。

最終的なCV数をKPIとするのは上記の段階的なKPIをクリアしてからが適当であるといえます。

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