インターネット上でサイトやブランド、サービスなどについて言及されることを「サイテーション」と呼び、被リンクに似たようなSEO効果を得ることができるとされているため、近年重要なSEO施策として注目を集めています。
この記事ではサイテーションの概要とSEO効果について詳しく解説した上で、サイテーションを獲得する方法を紹介していきます。
サイテーションとは
サイテーション(citation)とは「言及、引用」といった意味を持つ言葉で、SEOの文脈で語られるサイテーションとは、サイト名やサービス名、企業名、ブランド名、人物名といった固有な単語が、インターネット上で言及されることを指します。
この記事内でさらにわかりやすくするため、上記の様な固有な単語を関したサイト名が話題に上ることをサイテーションと定義して話を進めて行きましょう。
サイテーションと似た概念として「被リンク」を思い浮かべた方もいらっしゃるかもしれませんが、被リンクとの異なる点は、ハイパーリンクが設定される必要がなく、単純に固有な単語がインターネット上で用いられるだけで良いという点です。
サイテーションのSEO効果
サイテーションは被リンクと同様に、検索エンジンでの順位向上に繋がる可能性があると考えられています。
これはGoogleが公式に明言されているわけではありませんが、サイテーションがSEO上ポジティブなシグナルとなっているという説を指示する通じた専門家は多く、それを裏付けるような実例やデータも数多く発表されています。
ただし、サイテーションに関する注意点としては、サイテーション獲得とサイトの順位向上が、因果関係か相関関係かということがあります。
どういうことかといいますと、インターネット上で多く話題になる様なサイトは、指名検索流入が多い、被リンクを獲得しやすい、もともインターネット上でのファインダビリティが高いなど、SEO的に有利な条件が整っており、直接サイテーションが順位を押し上げている訳ではないという考え方です。
この可能性は充分に考えられます。
しかしこの考え方正しかったとしても、インターネット上で話題になるような状態を作ることができれば、SEOに強くなるということには変わりありません。
さらに、サイテーションの獲得というのは、圧倒的にクオリティの高いコンテンツを作ったり、強力な被リンクを多く獲得したりすることに比べ、ハードルが低いというメリットがあるため、まだまだサイテーション獲得に力を入れている人が少ない現在では、SEO上での競合との差別化要因として、ぜひ力を入れたい施策といえるのです。
この様に、サイテーションの獲得に取り組む施策のことを、サイテーションビルディングと呼びます。
サイテーションを獲得する方法
SEO上のサイテーションの重要性が分かったところで、サイテーションビルディングを行うための具体的な施策を4つ紹介します。
サイト名を固有かつシンプルなものにする
サイテーションビルディングを行うための一つめのポイントは、サイト名を固有かつシンプルなものにするということです。
これには2つの目的があり、1つ目は「他のサイトやサービスと被らないようにすること」、2つ目は「話題に上る際に正式なサイト名が用いられやすくすること」です。
なぜサイト名が他のサービス等と被ってはいけないかというと、インターネット上であなたのサイトが言及されたとしても、被リンクの様に直接繋がるわけではないので、Googleがどのサイトに対するサイテーションであるかを判断することができないためです。
特に、有名なサービス名やサイト名と被るもの、広く使われている一般的な単語などは避けるようにしてください。
また、サイテーションを獲得しやすくするためには、話題に上がる際に正式名称で言及されやすいサイト名にすることが重要です。
サイト名が長すぎたり、ユーザーが覚えにくかったりするものは避け、なるべくシンプルかつ短いサイト名をつけてください。
そうすることで、他と被らないだけでなく、あなたのサイト名と完全一致で言及されるため、サイテーションを獲得する機会を逃してしまうリスクを避けることができます。
SNSでサイトを拡散する
2つ目の施策は、SNSを活用するという方法です。
SNSは人通しの繋がりによって成り立つプラットフォームであるため、そこで目立つことができれば、自然と話題に上りやすくなり、結果的にサイテーションを増やすことができます。
運営するサイトによって相性の良し悪しがあるかと思いますので、Instagram、Facebook、Twitter、TikTok、YouTube(厳密にはSNSではありませんが)など、様々なSNSを活用し、サイトを拡散するようにしましょう。
また、どんなサイトを運営するにしても、Twitterは必ず活用するようにしてください。
Twitterはテキストメインでコミュニケーションを行うSNSなので、最も効率良くサイテーションを増やすことができます。
極端な話、サイト名をアカウント名に設定し、サイトを更新した際にツイートしたり、他者とコミュニケーションを取ることで言及してもらう機会を増やしたりするだけでもサイテーション増加につなげることができます。
ただし、スパム的な発想で行うのではなく、あくまで自身のサイトのターゲットとなるユーザーに対して有益な情報発信を行ったり、コミュニケーションを取って親密になったりすることで、結果的にサイテーションが増えるという状況を目指してください。
様々なプラットフォームを活用する
3つ目のサイテーションビルディング施策は、外部のサイトやサービスなど、様々なプラットフォームを活用してコンテンツを発信し、より多くのユーザーの目にサイト名を触れるようにすることで、サイテーションを獲得しやすくするという方法です。
広義では先程のSNS施策もこれに含まれますが、活用できるサービスはまだまだ多くあります。
ぱっと挙げられるだけでも、NAVERまとめの様なキュレーションサイト、noteやはてなブログなど誰でもコンテンツ発信ができるサービス、Slideshareなど資料を公開できるサービスなど、色々なプラットフォームが思いつきます。
サイテーションを獲得したいのが企業やブランドである場合には、Wikipediaにページを作るといった方法も有効でしょう。
PRタイムスのようなプレスリリースサービスを利用するといった方法も考えられます。
注意点としては、自演リンクのようなイメージでとにかくインターネット上にサイテーションを増やすために自サイトの名前を書き込むということではなく、人の目に触れる機会を増やすことで、純粋想起を獲得することを目的として、しっかりとコンテンツの発信を行ってください。
スパム的なやり方は結局あなたのサイトを話題にする人を増やすことには繋がりませんし、場合によってはネガティブな印象を抱かれてしまう可能性もあります。
広告を活用する
最後の施策は、有料広告を利用してインプレッションを稼ぎ、認知度を上げることでサイテーションを増やすという方法もおすすめです。
その際には、なるべく多くのキーワードで広告を表示させるようにしながら、広告のクリック単価とクリック率を下げるように調整するのがおすすめです。
あくまで認知拡大のためのインプレッション稼ぎが目的ですので、コンバージョンを狙って運用する時の様な最適化は必要ありません。
新サービスや新商品をリリースしたばかりの段階で有料広告を利用すると、指名検索を早く増やすことができるため、初期段階でブースト的に利用する方法がおすすめです。
どの程度のサイテーションを獲得できているか調べる方法
最後に、自サイトへのサイテーション量を調べる方法を3つ紹介します。
サイト名で検索する
1つ目の方法は、サイト名で実際に検索を行ってみることです。
その際には、Googleの検索コマンドを使い、以下のように検索を行ってください。
「 “サイト名” -site:ドメイン」
この様に検索することで、サイト名と完全一致するテキストを含み、さらに自サイトを除外したサイトのみを検索することができます。
この検索によって表示されるコンテンツが増えた場合には、サイテーションが増加したと考えてよいでしょう。
Search Consoleでサイト名の検索数を調べる
2つ目は、Search Consoleの検索パフォーマンスから、自分のサイト名がどれくらい検索されているかを調べるという方法です。
Search Consoleのメニューから「検索パフォーマンス」を選択し、上段にある「+新規」→「検索キーワード」の順にクリックします。
続いてプルダウンタブから「正確なクエリ」を選択し、サイト名で検索を行ってください。
合計表示回数から、どの程度指名検索が行われているかを調べることができます。
SNS上でサイト名を検索する
3つ目は、SNSの検索機能でサイト名を検索し、言及しているユーザーがどのくらいいるのかを調べる方法です。
SNS上でのサイテーション増加がサイテーションビルディングにおいて有効な施策であるのはすでに解説した通りですが、実際に検索を行うことで、どれだけサイテーションを獲得できているのかがわかります。
まとめ
サイテーションのSEO効果と具体的なサイテーション獲得の方法を解説しました。
サイテーションは獲得のためのハードルが低く、SEO効果も期待できるため、サイト運営を行う上で必ず取り組みたい施策の一つです。
ぜひこの記事で紹介した内容を実践し、サイテーションビルディングを行ってみてください。