ディスプレイ広告にはGDNとYDNの2種類がありますが、それぞれどの様なサービスで、両者にはどの様な違いがあるのでしょうか。
この記事ではGDNとYDNの違いを比較解説しながら、それぞれの特徴を踏まえて効果的に活用する方法を解説します。
GDN・YDNはどちらもディスプレイ広告の種類
GDNとYDNはどちらもディスプレイ広告という種類の広告サービスの名前です。
それぞれのサービス内容に特色があるのですが、その違いを見ていくに先立ち、まずはディスプレイ広告とはどの様なものなのかを解説していきます。
ディスプレイ広告とは?
ディスプレイ広告とは、広告サービスと提携したウェブサイトやアプリなどに設けられた広告枠に表示される広告のことを指します。
ウェブサイトを閲覧していると、サイドバーや記事コンテンツの途中などに広告が表示されているのを見かけることがあるでしょう。
これをクリックすると、広告主のウェブサイトへ遷移するようになっています。
広告のフォーマットには画像、動画、テキストなどがありますが、バナー画像形式の広告が主流であったことから、ディスプレイ広告のことをバナー広告と呼ぶ場合もあります。
最も、最近では注目されやすさや伝えられる情報量の豊富さなどから、動画形式のディスプレイ広告の割合も増えています。
また、ディスプレイ広告は広告がクリックされる度に広告費が発生するクリック課金制と、広告が表示された回数に応じて広告費が発生するインプレッション単価制が利用できるため、目的に合わせて料金形態を選ぶことができます。
リスティング広告との違い
ディスプレイ広告はウェブ広告の中で最も主流なもののひとつであるリスティング広告と比較されることも多いのですが、両者にはどの様な違いがあるのでしょうか。
まずは広告が表示される場所ですね。
先述のとおり、ディスプレイ広告はウェブサイトやアプリなどの広告枠に表示されるのに対し、リスティング広告はGoogleやYahooといった検索エンジンの検索結果上段、もしくは下段に表示されます。
検索キーワードに連動する形で検索エンジンの検索結果に表示されることから、リスティング広告は検索連動型広告とも呼ばれます。
広告の掲載場所に関しては、ディスプレイ広告の方がより多様といえるでしょう。
また、ユーザーと広告の接点が生まれるタイミングにも違いがあります。
ディスプレイ広告は他の目的でウェブサイトを閲覧したり、アプリを利用したりしている最中に広告が表示されるのに対し、リスティング広告は特定の目的で検索を行ったユーザーに対し、検索キーワードと関連した広告が表示されます。
そのため、ディスプレイ広告はより幅広いユーザーに対してアプローチできる一方で、購買意欲は高くありませんが、リスティング広告は商品購入やサービス申し込みといったアクションを起こす手前のユーザーに対し、ピンポイントで訴求を行うことができます。
ディスプレイ広告は広く浅く、認知拡大なども含めた使い方に適しており、リスティング広告はコンバージョンに近いユーザーを刈り取る使い方が向いていると言えますね。
最後に、ディスプレイ広告とリスティング広告では広告のフォーマットが異なります。
リスティング広告は文字のみでの出稿になるのに対し、ディスプレイ広告は画像や動画など、より注目されやすい形で広告の出稿ができるため、ユーザーの関心を引きやすく、さらに伝えられる情報量も多くなります。
以上がディスプレイ広告とリスティング広告の違いになります。
ディスプレイ広告がどの様なものか分かったところで、いよいよGDNとYDNの違いについて見ていきましょう。
GDNとYDNの違いを比較解説
GDNとYDNはどちらもディスプレイ広告ですので、ウェブサイトやアプリなどの広告枠に、画像を中心としたフォーマットで広告を配信できるという点は共通です。
しかし、それぞれ異なるサービスですので、GDNとYDNには固有の特色があります。
サービスの特徴を理解した上で使い分けを行うことで、より効果的にディスプレイ広告の配信ができるようになりますので、両者の違いを比較しながら見ていきましょう。
<h3>サービスの提供元の違い</h3>
まず1つ目に、GDNとYDNではサービスの提供元がそれぞれ異なります。
GDNは「Googleディスプレイネットワーク」を略したもので、その名のとおりGoogleが提供しているディスプレイ広告のサービスです。
もう一方のYDNは「Yahoo!ディスプレイアドネットワーク」を略したものです。
こちらはYahoo!が提供しているサービスですね。
それぞれサービスの提供元が違うため、GDNを利用するためにはGoogleアカウントを用意した上でGoogle AdWordsへ登録する必要があり、YDNを利用するためにはYahoo!JAPANのビジネスIDを取得し、YDNアカウントを作成する必要があります。
出稿媒体の違い
ディスプレイ広告は広告サービスが提携しているウェブサイトやアプリの広告枠に対して広告配信を行うため、それぞれサービスの母体が異なるGDNとYDNとでは、出稿できる媒体にも違いがあります。
提携しているサイトの数でいうと、YDNよりもGDNの方が多く、さらに提携サイトがYDNは法人運営のもののみであるのに対し、GDNはGoogleアドセンスを利用している個人のブログやウェブサイトも対象となります。
それではGDNのみ利用すれば良いのではないかと思うかもしれませんが、そういう訳ではありません。
数は少ないといっても、YDNではアメブロやクックパッド、ニコニコ動画といった利用者の多いサービスと提携しているためです。
ちなみに、GDNのみで提携している大手サイトとしては、Youtubeや食べログなどが挙げられます。
また、YDNのメリットとしては、Yahoo!が運営している自社サービスにもディスプレイ広告を配信できるという点です。
代表的なものとしては、Yahoo!JAPANのトップページやYahoo!ニュースなどが挙げられますね。
国内最大手の検索エンジンとその関連サービスですので当然利用者は多く、YDNでしかリーチできないユーザーも存在するため、どちらが良いという話ではなく、両者で配信できる出向先を把握した上で、適切に使い分けることが重要です。
フォーマットの違い
GDNとYDNは広告の入稿フォーマットにも違いがあります。
ディスプレイ広告の基本的なフォーマットはテキストと画像、動画を素材としますが、それぞれ配信できる画像のサイズやテキストの文字数、動画の長さや容量など、仕様が異なります。
GDNとYDNは併用することが多いかと思いますので、両者の広告フォーマットの違いを事前にチェックし、両方に対応できるように上手く広告を作成するなどの工夫を行い、効率よく広告の管理をすることをおすすめします。
特に画像においては、GDNは20種類のサイズの画像が使えるのに対し、YDNでは対応サイズが6種類となっています。
YDNの6種類はGDNでも共通しているため、まずはこの6種類を中心にクリエイティブを作成すると効率よく使いまわしができるでしょう。
ターゲティング方法の違い
GDNとYDNの違いの中でも最も重要とも言えるのが、ターゲティング方法の違いです。
ウェブ広告で成果を上げるためには適切なユーザーに適切な広告を届けることが必要不可欠ですので、両者のターゲティングの違いについてはしっかり理解しておきましょう。
ディスプレイ広告のターゲティング方法は大きく2種類に分かれます。
1つ目は、ユーザーの属性や興味関心、インターネット上での行動といった、ユーザーの特徴に合わせたターゲティング方法です。
2つ目は、配信先のウェブサイトやアプリがどの様な内容であるかに基づく、コンテンツの特徴に合わせたターゲティング方法です。
GDNとYDNでそれぞれ設定できる詳細な項目の差異は多くありますが、大きな違いとしては、YDNはユーザー行動に基づいたターゲティングが強く、GDNはコンテンツに基づいたターゲティングに強いという点です。
YDNには「サーチターゲティング」と呼ばれるターゲティング方法があります。
これは特定のキーワードで検索を行ったことがあるユーザーに対してディスプレイ広告を配信できるという方法です。
例えばバストアップサプリに関するディスプレイ広告を配信したい場合に、サーチターゲティングで「胸 大きくする方法」「バストアップサプリ おすすめ」といったキーワードを指定して配信することで、購買意欲の高いユーザーに対して広告を表示させることができます。
ただし、リスティング広告と違って検索時にリアルタイムで表示されるわけではないので、サーチターゲティングで広告が表示された時に同様の関心を持っているとは限りません。
ですので、即時性の高いキーワードよりは、検討フェーズの長いキーワードなどの方が適しているでしょう。
一方で、GDNにはどの様なコンテンツに対してディスプレイ広告を配信するかをキーワードで指定できる「コンテンツターゲット」と呼ばれるターゲティング方法が存在します。
バストアップにまつわるキーワードを指定すれば、バストアップと関連性の高いコンテンツに対して広告を表示させることができます。
どの様なコンテンツを利用しているユーザーは購買意欲が高いのかということが分かっている場合には、非常に有効なターゲティング方法となるでしょう。
以上の様に、YDNとGDNそれぞれのターゲティングの強みを生かしてディスプレイ広告の配信を行いましょう。
まとめ
GDNとYDNの違いについて解説しました。
GDNとYDNはどちらもディスプレイ広告のサービスですが、配信先やフォーマット、ターゲティング方法などに違いがあります。
単純な優劣の問題ではないので、基本的には両者の特徴を踏まえた上で、効果的に活用することをおすすめします。