ブログの記事は公開したら終わりではなく定期的にリライトを行うことで、よりSEO的な評価を高め、上位表示につなげやすくなります。
この記事では、リライトの重要性を解説した上で、リライト対象記事の選定方法と具体的なリライトのやり方を解説していきます。
ブログ記事のリライトとは?
ブログ記事のリライトとは、不足しているトピックを追加する、ユーザーの検索意図からズレている内容を調整する、情報をアップデートする、文章や構成をブラッシュアップして読みやすくするといった施策を行うことで、コンテンツをより魅力的なものにすることを指します。
よく勘違いされることが多いのですが、リライトは上位表示されている記事の言い回しを変えたり、語順を入れ替えたりして、完全一致を避けた焼き直しのコンテンツを作ることではありませんので、注意してください。
リライトの必要性
リライトは記事毎に適切な施策を行い、レベルアップさせる施策であるということが分かりましたが、そもそもなぜリライトを行う必要があるのでしょうか。
それには主に3つの理由があります。
1つずつ詳しく見ていきましょう。
ユーザーニーズを満たす
1つ目の理由は、よりコンテンツをユーザーのニーズにマッチしたものにするためです。
そもそもSEOメインのコンテンツマーケティングの考え方というのは、ユーザーの検索意図を満たす上質なコンテンツを提供することで、検索エンジンを利用する見込み顧客との接点を作り出し、ブランディングや認知拡大、商品・サービスの訴求といった目的を達成するというものです。
つまり、作成する記事コンテンツとは、そのKWで検索を行うユーザーがどの様な意図を持っており、どんな疑問や悩みを解消したいのかというニーズに応えるものである必要があるのです。
しかし、ユーザーニーズを正確に捉えることは難しく、作成した記事が一発目からユーザーニーズをしっかりと満たすものとならないことは珍しくありません。
その様な場合には、検索順位が低い、CTRが低い、離脱率が高いといったデータが得られるはずです。
そこでリライトを行うことで再びユーザーの反応を見て、さらに課題の抽出と修正という形でPDCAを回しながらリライトを重ねることで、ユーザーニーズを満たす上質なコンテンツにすることができるのです。
また、この様なアプローチは、ユーザーに対して満足度の高いコンテンツを提供したいというGoogleの方針とも合致し、検索順位の上昇にもつながるため、SEO対策という側面も持ち合わせています。
最新情報にアップデートすることで信頼性を向上させる
時事系のテーマを中心に扱うニュースサイトと違い、常に一定の検索ニーズが存在するKWに対応するストック系のコンテンツであっても、時間の経過とともに内容の一部、もしくは全体が現状にそぐわないものになり、陳腐化してしまいます。
その要因は様々でトレンドや価値観の変化、制度や法律の変更、新しいサービスの登場など。
例えばSEOにおいても、「リライトのやり方」というテーマについて知りたいニーズは以前から存在したでしょう。
しかし、Googleのアルゴリズムが凄まじいスピードで変化しているため、一昔前には「KWを○%の割合で散りばめる」「記事の長さを○文字以上にする」「全ての見出しタグに対策KWとサジェストKWを含める」など、アルゴリズムをハックするテクニカルなアプローチに関する話題が多かったのに対し、現在ではよりユーザーファーストな施策が中心となるはずです。
また、もっと直接的にわかりやすい例としましては、例えば「月々のスマホ利用料金を最も安くする方法」といった記事があったとして、作成当時よりもさらに安いサービスが登場したとしたら、それに合わせて記事の内容をリライトする必要があるでしょう。
この様に、どれだけ質の高い記事であっても、時間の経過とともに情報が古くなり、価値が低下してしまうため、その対策として定期的なリライトが必要になります。
サイト内での重複を解消する
3つ目にはサイト内に似たようなコンテンツが存在する場合に、重複を解消する目的でリライトを行います。
これはどちらかというと検索エンジンよりの施策ではありますが、サイト内に内容が重複するコンテンツが存在する場合、評価が分散したり、重複している部分が評価の対象外になったりして、上位表示の妨げになるケースがままあります。
初期にしっかりキーワードの設計を行っていなかったり、1記事あたりの情報粒度の切り分けが不適切であったりなど、重複は意外と発生しやすいため、1記事に統合するか、それぞれが重複しない様に切り分けるといった形でリライトを行う必要があります。
リライトを行う記事の選定方法
ブログサイトを運営する上でリライトが必要不可欠であることはお分かりいただけたかと思いますが、リライトは無差別に行うのではなく、必要がある記事を適切に選定することが重要です。
ここからは、リライトを行うべき記事をどの様に選べば良いのかを解説していきます。
記事の選定にはSearch ConsoleとAnalyticsの活用がおすすめ
まず前提としてリライトを行う記事を選ぶためのデータを取得するツールとして、Googleが提供するSearch ConsoleとAnalyticsの活用をおすすめします。
他にも順位計測ツールを使ったり、サイト改善をサポートしてくれるSEOツールを使ったりといった方法もありますが、無料で精度の高いデータを多く取得できることから、この2つがあれば充分です。
Search Consoleでは「検索パフォーマンス」という機能により、以下の4つのデータを見ることができます。
・順位がついているKW
・検索順位
・検索結果への表示回数
・CTR(クリック率)
これらは記事の順位やアクセス状況を分析するのに役立ちます。
また、Analyticsではキーワード情報は見れないものの、より正確な流入数や、サイト内でのユーザーの行動を分析することができます。
それでは、どの様な記事がリライトの対象になるのか具体的に見ていきましょう。
順位が低い記事
1つ目はシンプルに、順位が低い記事がリライトの対象になります。
よっぽど検索ボリュームが大きいキーワードで無ければ、基本的には検索結果の1ページ目、それも可能であれば上位3位いないくらいに上位表示されなければ、アクセスは中々集まりません。
そのため、順位が低い記事はどんどんリライトを行っていきましょう。
クエリにもよりますが、目安として30位以内の記事は検索意図に対する方向性は概ね正しく、またリライトによる上位表示も見込める可能性が高くなります。
それ以下の場合には、ゼロから書き直すくらいのリライトを行った方が早いかもしれません。
注意点としては、メインのキーワードを見極めることです。
例えばこの記事であれば、「ブログ記事 リライト」といったキーワードがメインとなりますが、ロングテールで「リライト 必要性」など、メインのテーマから少し逸れたキーワードでも順位がつく場合があります。
そして、例えば「ブログ記事 リライト」で30位、「リライト 必要性」で90位だったからといって、後者に最適化する必要はなく、あくまでメインのキーワードである前者で上位表示させるためのリライトを行ってください。
というのも、ロングテールではメインのキーワードに対する検索意図とは異なるキーワードでも低めに順位がつくことが多いため、そちらに合わせると記事の内容がブレてしまうためです。
順位は高いがCTRが低い記事
2つ目に、順位が高いのにCTRが低い記事もリライトを行った方が良いでしょう。
仮に1位に表示されていたとしたら、クエリにもよりますが20~30%程度のCTRは期待できるはずです。
しかし、実際のCTRが例えば5%など極端に低い場合には、タイトルタグの訴求力が低いなど、何らかの問題がある可能性が高いため、リライトを行い、改善を試みるべきです。
ただし、検索順位が高くても、検索結果によってはCTRが低く出てしまうケースもあります。
例えば、リスティング広告が多く出ている、検索結果の上部にGoogleマップや強調スニペットが表示される、1位表示されている公式サイトに関するニーズが極端に強いといったケースです。
この様な場合には改善が難しい可能性もあるため、一度実際にキーワードを打ち込み、CTRが妥当であるかどうか状況確認を行うと良いでしょう。
直帰率やコンバージョン率の数値が悪い記事
実際にアクセスにはつながっているものの、流入後のパフォーマンスが悪い記事については、Analyticsによる洗い出しがおすすめです。
例えば「直帰率」が高い場合には、記事の内容がユーザーニーズにマッチしていないか、もしくは記事内で適切な次のアクションの訴求ができていない可能性が考えられます。
また、何かしらのCTAを設置し、コンバージョンの計測を行っているもののコンバージョン率が低い場合には、訴求の内容やタイミングが適切であるかどうかを検討する必要があるでしょう。
重複している記事
最後に、内容の重複が発生してしまっている記事もリライトの対象となります。
重複の問題性については既に触れている通りです。
発見の方法としては、Search Consoleの「検索パフォーマンス」から確認したいKWを選択した上で、タブを「クエリ」から「ページ」に切り替えてください。
この時に複数のページが表示されてしまう場合には、評価が分散されてしまっている可能性がありますので、記事の内容をチェックし、重複していないかリサーチを行ってみてください。
内容が類似していたり、重複していたりする場合には、統合、もしくは切り分けを行う必要があります。
具体的なリライトのやり方
さて、リライト対象記事の選定ができたら、いよいよ実際にリライトを行っていきます。
具体的なリライトの実施方法を解説していきましょう。
最も重要なのは検索結果上位の競合との比較
Googleで上位表示されている競合の記事は、Googleが「最もユーザーの検索意図とマッチしている」と判断している記事ということになります。
そのため、真っ先に分析すべきは競合の上位コンテンツといえるでしょう。
リライトを行う記事が決まったら、対策キーワードで実際に検索を行い、上位に表示されるコンテンツとの比較分析を行ってみてください。
特に注目すべきポイントとしては情報の過不足です。
情報量が不足していたり、反対に検索意図からズレた不要な情報が含まれたりしていないか、見出し単位で比較しながらチェックしましょう。
キーワードの出現率などを気にする人もいますが、必要なトピックが盛り込まれていれば、キーワードは必然的に含まれるはずですので、機械的にキーワードの出現率を調整する様なアプローチはあまり意味がありません。
Q&AサイトやSNSから不足している情報を追記
競合との比較は最も重要とお伝えしましたが、それだけでは競合を上回ることはできないため、よりユーザーのニーズに応えるための差別化要因が必要になります。
そこでおすすめしたいのが、Q&AサイトやSNSの活用です。
これらにはユーザーの生の声が投稿されるため、ユーザーがどの様なことに悩み、何を知りたいのか、ヒントが得られる場合があります。
仮にそれが上位表示されているコンテンツが補完できていない情報である場合には、積極的に盛り込むようにしましょう。
一次情報も差別化につながる
差別化のためには、一次情報を盛り込むという方法も有効です。
一次情報とは、独自の体験に基づいたオリジナルな情報です。
例えば、上位のコンテンツが商品のスペックのみを紹介している様な内容である場合には、実際にその商品を購入して使ってみた結果などを追記してリライトすることで、差別化することができるでしょう。
他にも、アンケート調査を行ったり、企業の場合には顧客データを活用したりといったアプローチが考えられます。
重複している場合は統合・切り分けを優先
リライト対象コンテンツとして選定した理由が重複によるものであった場合には、まずは重複解消を優先してリライトしてください。
例えばAとBという記事が重複してしまっている場合、Bを削除するだけでも、Aが上位表示されるというケースも少なくありません。
ここまで解説した様なアプローチは、まずは統合するなり情報の切り分けを行うなりして重複を解消し、その後の動きを見て判断することをおすすめします。
まとめ
コンテンツマーケティングを行う上で必要不可欠な、リライトについて解説しました。
記事は一度書いたら終わりではなく、リライトを重ねることでよりユーザーを満足させる高品質なものにブラッシュアップすることができ、結果的にそれが上位表示にもつながります。
ぜひこの記事で解説した内容を参考に、リライトを行ってみてください。