昨今ではGoogleでの上位表示を目指す上で重要な要素として、コンテンツやサイトのE-A-Tを高める、確保する必要があるとされることが多くなっていますが、このE-A-Tとは一体どういったものなのでしょうか。

この記事ではSEO対策を行う上でのE-A-Tの重要性と、E-A-Tを高めるための具体的な施策について解説します。

SEOにおけるE-A-Tとは

E-A-Tとは次の3つの単語の頭文字を取ったものになります。

・Expertise（専門性）

・Authoritiativeness（権威性）

・Trustworthiness（信頼性）

Googleではこの専門性、権威性、信頼性が高いサイトを高く評価しているという訳です。

それでは、具体的にそれぞれがどの様なものであるのか見ていきましょう。

Expertise（専門性）

ひとつ目の専門性は、特定のジャンルに関して高度な知識や経験を持っていることを意味する言葉で、コンテンツやWEBサイトにおいては、特定ジャンルに特化した深い内容になっているかどうかという点が専門性において重視されるポイントとなります。

そのため、ウェブサイトであれば多様なジャンルのテーマに関するコンテンツが混在した雑記的なサイトよりも、1つのテーマについてのコンテンツを深く取り扱う特化サイトの方が、専門性を確保しやすい傾向があります。

また、コンテンツに関してもどこにでも書かれているような浅い内容ではなく、そのジャンルに関する専門家がコンテンツを作成していたり、独自の調査や経験に基づく有益かつ信頼性の高い一次情報が盛り込まれていたりするコンテンツの方が、専門性が高くなります。

Authoritativeness（権威性）

ふたつ目の権威性とは、一言で言うのであれば「誰が言うか・誰が発信するか」ということです。

何かしらの役に立ちそうな情報が発信されていた時に、それを信じて良いかどうかはどの様に判断するでしょうか。

情報の内容によっても判断材料とするものは変わってくるかと思いますが、その情報を発信しているのが、発信されているテーマに関する専門家や有資格者、誰もが知るその道のプロだったとしたら、情報を信頼しても良さそうですよね。

例えば、何かしらの病気にかかってしまった時の治療法について、専門医の言うことと素人が言うことどちらを信じるかというのが、権威性のわかりやすい例でしょう。

この様に、特定の情報に関する信頼性や正確性を判断する上で、権威性というのは有益なシグナルになるため、Googleのおいてもコンテンツの評価に権威性を取り入れており、特にユーザーへの影響が大きい、お金や健康といったジャンルでは権威性の確保が非常に重要になります。

Trustworthiness（信頼性）

3つ目の信頼性はその言葉の通り、コンテンツやウェブサイトが信頼に値するものであるかどうかという点です。

他の2つに比べて身近な言葉ですのですんなりと理解しやすいかと思いますが、インターネット上における信頼性とはどの様に測られるものなのでしょうか。

信頼性をジャッジするポイントとしては、運営者の情報が挙げられます。

例えば、匿名のアフィリエイトサイトと、運営者情報が明らかになっている企業のサイトでは、後者の方が信頼しやすいですよね。

また、この運営者が例えば厚生労働省などの公的機関や、大学の研究機関などであれば、信頼性はより高くなるかと思います。

こういった観点から、信頼性は、権威性や専門性とも重複する部分があるといえるでしょう。

ただし、実際のところ運営者情報が明らかかどうかで情報の信頼性が必ずしも担保されるわけではなく、あくまで現在のGoogleのアルゴリズムではその様な傾向があるということになります。

E-A-Tの重要性

E-A-Tの詳細につきまして解説しましたが、ここからは、SEOにおいてE-A-Tがなぜ重要であるのかを、より具体的に見ていきましょう。

E-A-Tはコンテンツの質を評価する重要項目

E-A-TがSEOにおいて重要な最大の理由は、Googleの検索品質評価ガイドラインにおいて、ページ品質評価の最重要項目と明記されているためです。

Googleの検索品質評価ガイドラインとは、簡単にいうと「Googleではこういったコンテンツを高く評価しますよ」という内容をまとめたガイドで、元々はGoogle内部で検索結果の品質を維持する目的で使われていた資料ですが、2015年に一般公開され、その後Googleのアップデートや世情の変化を反映しながら随時更新されているものです。

つまり、E-A-T が検索品質ガイドラインで最重要であると書かれている以上、Googleから質の高いコンテンツとして評価され、上位表示を目指すためには、E-A-Tを高めることが必要不可欠といえるのです。

特にYMYLジャンルでは高いE-A-Tが必要不可欠

E-A-Tはページ評価全般において重要な指標であることは間違いありませんが、中でもYMYLと呼ばれるジャンルにおいてその重要性が高くなっています。

YMYLとはYour Money or Your Lifeという言葉の頭文字を取って略したもので、お金や健康など、コンテンツの受け取り手に大きな影響を及ぼすジャンルのことを意味します。

例えば、急に体調が悪くなって解決法をGoogleで検索した時に、エビデンスに基づかないデタラメな情報が上位に表示されており、それを信じて間違った処置を行ってしまった結果、重大な健康被害に遭ってしまったら大変ですよね。

そのため、Googleではこの様なYMYLジャンルではE-A-Tをより重視し、先程の様なケースでは、例えば医療機関が発信する信頼性の高いコンテンツなどを優先的に上位に表示させようとする訳です。

YMYLジャンルとして検索品質評価ガイドラインに記載されているものとしては、下記のようなものがあります。

ニュース、時事問題：政治や国際問題など、重要なトピックに関するニュース（エンタメ等は対象外）

公共サービス・法律：生活を維持するために必要な情報

金融：保険や投資など

ショッピング：ECサイトなど

健康・安全：医療や病院、健康などに関する情報

人のグループ：人種、宗教、ジェンダーなどに関する情報

その他：フィットネス、栄養、進学、就職など、生活や人生への影響が大きい情報

ジャンルによってはE-A-Tがそこまで重視されない場合もあるものの、上記の様なカテゴリのテーマを扱う場合には、E-A-Tを高めることが必要不可欠といえます。

E-A-Tを高める方法

それでは、E-A-Tを高めるためには、どうすればよいのでしょうか。

具体的な施策を紹介していきます。

運営するサイトの状況やコンテンツの制作体制によって取れる施策は異なってくるかと思いますが、ぜひE-A-Tを構築するための参考にしてみてください。

特定テーマに特化したウェブサイトを運営する

サイトの専門性を高めるためには、運営するサイトは可能な限り扱うテーマを特化させるようにしましょう。

複数のテーマを扱う場合にもなるべく関連性があるものにし、全く無関係のジャンルのコンテンツが混在してしまう場合には、それぞれ別サイトで運用することを検討するといった対策が必要でしょう。

例えば、1つのサイトに美容、グルメ、旅行など、様々なテーマのコンテンツが混在する状況は好ましくありません。

また、美容をテーマにしたサイトを運営する場合にも、スキンケア、メイク、ダイエットなど、それぞれを深堀りした特化サイトを作った方がいい場合もあります。

後からサイトを切り分けるのは大変なので、なるべく初期の設計段階でサイトのコンセプトを明確にするとよいでしょう。

専門家による情報発信を行う

サイト・コンテンツの専門性を高めるためには、専門家を起用するという方法が有効です。

専門家に直接コンテンツをライティングしてもらうか、あるいは監修を行ってもらうことでコンテンツの専門性が高まり、また、記事内にプロフィールを記載することで信頼性も同時に高めることができます。

もちろんサイトの運営者自身が専門家である場合にも有効な方法です。

一次情報を発信する

一次情報の発信も専門性の向上につながります。

一次情報とは、独自の調査、顧客データ、事業を行う中で得られた知見やノウハウ、体験談など、自らが体験したことに基づくオリジナルな情報のことです。

これに対し、見聞きした内容を二次情報と呼びます。

一次情報は取得が難しいため、多くのコンテンツは二次情報を元に作成されています。

そのため、一次情報を発信できる事自体が専門性の向上に寄与するのです。

運営者情報を明らかにする

匿名運用はどうしても信頼性が低くなりがちですので、運営者情報は開示した上で、どの様な人や企業・団体が運営しているのか分かるように情報も充実させるようにしましょう。

運営者自身が影響力を持つ場合には、同時に権威性も高めることができます。

外部リンク・サイテーションを獲得する

Googleが権威性を判断する上で用いていると考えられるシグナルが、外部リンクとサイテーションです。

良質なリンクを多く獲得しているサイトは権威性が必要なクエリでも上位表示されやすい傾向があります。

また、サイテーションとは外部リンクの様にハイパーリンクは貼られないものの、サイト名や運営者名についてインターネット上で言及されることを指し、外部リンク同様に権威性を高める要因となります。

信頼性の高い情報を引用する

コンテンツ作成の際に、厚生労働省等の公的機関、大学病院などの医療機関、多く引用されている論文、充分な説得力のある調査データといった情報をコンテンツの中で引用することで、信頼性を高めることができます。

論文を作成する際に、信頼性を担保するために別の信頼性が高い文献を引用するのと同様のアプローチですね。

なお、発リンク自体がSEO上ポジティブに働くのではなく、あくまで信頼性の高い情報に基づきコンテンツを作成しているという点が重要ですので注意してください。

情報をアップデートする

情報というものは時間の経過とともに古くなるものです。

例えばSEOに関するノウハウや情報も、去年のものは既に陳腐化してしまっているものも少なくないですよね。

そのため、情報の信頼性を維持するためには、定期的にコンテンツの更新を行い、情報を最新の状態にアップデートする必要があります。

まとめ

SEOにおけるE-A-Tの重要性と高め方について解説しました。

サイトやコンテンツの評価を向上させるためにはE-A-Tを高める取り組みが重要になっており、特にYMYLジャンルでは必要不可欠といっても過言ではありません。

ぜひこの記事で解説した内容を参考に、E-A-Tを向上させる施策を行ってみてください。