SEO対策には、ホームページや商品ページへの訪問者数を増加させ、最終的に顧客の獲得につなげる効果があります。
このSEO対策は、外部対策と内部対策の2種類に分けられますが、検索サイト最大手のGoogleは、現在、ページ構成やコンテンツの質、つまりは内部対策の出来に重きをおいてサイトを評価し、検索結果の順位づけをしています。
つまり、ネットからの収益増加を狙うのであれば、SEOの内部対策は必ず行っておくべき施策だといえるわけです。
今回の記事では、SEO対策を必要としているサイト運営者に向けて、SEO内部対策の内容とその具体的な方法を、基本的な部分から要点を押さえて解説します。
SEOで内部対策を行う目的とは?
SEO内部対策を行う目的とは、GoogleにWebサイトの内容を高く評価してもらい、検索結果の上位を獲得、検索ユーザーの流入を増やすことです。
そのためには、評価のための情報を収集するGoogle検索エンジンのプログラム、「クローラー」に、高頻度、かつ効率的に巡回をしてもらい、さらに正確に内容を理解してもらえるようなサイト構造を目指す必要があります。
ちなみに、内部対策と対になる外部対策とは、「他のサイトから自サイトへの被リンクの掲載を増やすこと」と表現できます。
外部対策は、SNSでの拡散を狙うことや、他のサイトからリンクされる「被リンク」が主な手法です。
口コミのような要素が強いため、かつてはSEOにおいて重要でしたが、現在、この外部対策にはあまり効果がないという意見も見られます。
また、SNSでの拡散を狙うのであれば、コンテンツの内容を見やすく、質の高いものに仕上げる必要があるため、外部対策でありながら内部対策であるともいえます。
このことからも、内部対策の必要性はより一層重要なものだといえます。
クローラーに巡回してもらうこと
内部対策によるSEO効果が現れ始めるクローラー巡回の頻度は、総ページ数にもよりますが、1つのサイトに対しておよそ60〜80回/日が目安とされています。
サイトの更新がなされているサイトであれば1日で数百回巡回されることもあり、そのぶん早く評価が反映され、検索順位が上昇しやすいということになります。
また、更新が一切なされていないサイトにはクローラーがほとんど巡回しないため、検索順位も下降してしまいます。
そのようなことにならないため、クローラーにサイトを見つけてもらうための対策も必要です。
クローラーにサイトを正しく理解してもらうこと
クローラーはそのサイトのリンクをたどり、各ページの情報を収集しGoogleへ持ち帰ります。
そしてGoogleでは、そのページの情報を「インデックス」として保存、その後Googleのアルゴリズムを基準に評価をして、ユーザーに有益な情報を提供できているサイトだと認められれば、検索結果に上位表示させるという仕組みになっています。
しかし、クローラーは1度でそのページ・サイトの情報をすべて持ち帰られるわけではなく、断片的に情報を収集するにとどまります。
また、ページの構成が正しくない、もしくは悪意のあるものであれば、Googleはその内容を無視、または逆に評価を下げるように働きます。
そのような状況を避けるべく、Webサイトの構造をGoogleの設定するアルゴリズムに即したものに整えることも、内部対策としては必要になります。
また、クローラーにわかりやすいサイトを作成するということは、おのずとそのページを閲覧するユーザーにもわかりやすい構成になることと大部分が重複します。
そのため、ユーザービリティの向上にもつながるというメリットも包含しています。
クローラーに巡回してもらうための内部対策5項目
まずは、クローラーに高頻度で巡回をしてもらうための対策を解説します。
①XMLサイトマップを都度送信する
公開したサイトをそのままにしておくだけではクローラーの巡回が訪れず、検索結果に表示されない状態が続くことになってしまいます。
XMLサイトマップを作成し、それをGoogleに送ることでクローラーの巡回をリクエストできます。サイトを作成したら、XMLサイトマップの送信は必ず行いましょう。
また、サイトの更新を行うたびに都度XMLマップを送信することで、サイトを更新したことを、素早くGoogleに認識してもらえます。
②パンくずリストを設置する
クローラーは、ページ内の内部リンクづてにページを巡回し、情報を集めます。
そのため、パンくずリストを設置しないと、そのページにクローラーがたどり着けず、評価されない可能性があります。
パンくずリストとは、ページの上部に設置されるケースが多い、「どのページの変遷を経てこのページにたどり着くのか」を示す、サイト内での現在位置を示すものです。
パンくずリストを設置することで、クローラーの巡回効率は格段に向上します。
忘れずに設置するようにしましょう。
③3段階程度のわかりやすい階層にする
ホームページの構造を複雑にしてしまうと、クローラーもそのぶん複雑に内部リンクをたどる必要があるため、巡回に漏れが発生してしまいかねません。
ホームページから各末端のページまで2回のクリックでたどり着ける、3階層程度までで構成することで、効率的な巡回を促せます。
この3段階の階層構成は、実際にサイトに訪れたユーザーにとってもわかりやすく、離脱を回避し、回遊してもらう対策にもつながります。
④外部サイトからの被リンク
外部サイトから自サイトへ向けての被リンクが存在しないと、クローラーの入り口がサイトマップからしかなく、サイト評価されるのや、検索順位が上昇するのに時間がかかります。
クローラーの巡回するルートには、他のサイトにある自サイトへの外部リンクをたどってやってくる場合もあるため、外部サイトからの被リンクの数を増やすことは、巡回頻度の向上にたいへん効果的です。
ただし、この対策は自分で行うには難しい対策でもあります。他サイトから被リンクをもらえるような、質の高いコンテンツを作るよう心掛けましょう。
⑤評価の必要がないページはクロールさせない対策をする
評価対象のページ数が多いサイトだとクローラーは効率的な巡回ができず、検索順位を上げたいページの評価までに時間がかかることがあります。
この問題の解決のためには、クローラーに巡回させる必要がないページを、クロール対象から除外する対策が有効です。
これは、除外ページをまとめた「robots.txt」の作成、またはその除外ページのメタタグに「noindex」を追加することで設定できます。
クローラーから正しく理解してもらうための内部対策10項目
次に、クローラーが収集した情報を正しく理解、評価させるための対策をご紹介します。
①タイトルにh1を使い、キーワードを含める
ページ内テキストにそのコンテンツのキーワードとなるものが存在しないと、ユーザーが検索するワードとそのページが結びつきません。
そのため、狙ったキーワードでの検索結果に上位表示されることはありえないことになります。
そこでまず最重要視されるのが、ページタイトルとなる「h1」タグ内にあるテキストです。
h1タグ内に、そのページのテーマとなるキーワードを含めることで、検索ワードに関連のあるページとしてGoogleに理解されます。
このキーワードは、適宜h2、h3などの見出しタグの中にもちりばめることで、その効果を増幅させられます。
この対策は特に難しいものではなく、競合サイトを意識してコンテンツ作成を行えばおのずと達成されるものでもあります。
不自然にキーワードが多いとペナルティを受ける危険もありますが、適切な頻度でキーワードは含めるようにしましょう。
②見出しタグは順番を飛ばさずに使う
見出しタグはh1から順番にh2、h3・・・h6と続くため、その順番を無視し、<h2>直後に<h4>などという構成になってしまうと、クローラーに正しく内容を認識されません。
見出しタグを正しい順番で配置するようにしましょう。
③ペナルティにつながる要因を排除する
サイト評価には、ペナルティによるマイナス評価もありえます。
そのため、その要因となるものを排除しなくては、上位表示されないどころか、ペナルティを受けてしまい、インデックスされていない状態になってしまう危険もあります。
特にGoogleのアルゴリズム上、重大な違反とみなされるものは、コンテンツにオリジナル性が見られない重大なコピーが疑われるものです。
掲載するコンテンツの精査はもちろんのこと、引用などを必要とする場合は「blockquote」タグを利用することで、コピーの意図がないことを示すことができます。
④画像を重くしすぎない
ページ内に配置する画像のデータサイズが適切でなく、読み込みに時間がかかってしまうことは、マイナス評価の対象です。
画像サイズや解像度を調整することによって、このマイナス評価を回避できます。
また、読み込みの速度を早くすることは、ユーザーの直帰を減らすためにも必要な対策です。
⑤ページネーションを「1、2、3・・・」に設定する
1つの内容のコンテンツを分割して複数ページで公開する際に、画面下部に設置するページネーションを適したものに設定しないと、クローラーの巡回を非効率的にしてしまう可能性があります。
それを避けるためには、ページネーションを「1、2、3・・・」と数字を用いた設定にすることが対策として有効です。
1つのページから複数の共通コンテンツをたどれるようにすることで、ページそれぞれの関連性を示す役割も果たします。
⑥外部リンク・内部リンク構造の最適化を行う
クローラーは、内部リンクを巡回します。
そのため、評価を上げたいページ1つを中心に関連性の深い周辺記事を作成し、内部リンクでつなげることでクローラーの巡回を集中させるといった手法もあります。
また、内部リンクのアンカーテキストは、リンク先のキーワードを含んだものにすれば、クローラーにリンク先ページのキーワードをより正確に認識してもらえるようになります。
また、外部リンクの設置で起こりがちであるアクセス先のリンク切れも、サイトの評価に関わります。
リンク切れの外部リンクがないか、定期的に確認をするようにしましょう。
⑦URLを正規化する
使用するサーバーによっては、アドレスの「www」の有無を問わず自サイトにアクセスできることがありますが、これはクローラーに別のサイトと誤解させてしまい、評価を分散させる要因となってしまいます。
ウェブマスターツールなどからURLの表示ルールを、どちらか一方のルールに正規化する、またはリダイレクト機能などを使い、接続先を統一するなどの対策によってGoogleの評価を統一できます。
⑧テキストでナビゲーション設定をする
今のところ、クローラーはリンク先の情報をテキストでしか解析できないため、特にナビゲーションなどを画像で設定してしまうと、評価の対象として認識されません。
これは動画においても同様です。
リンク先のページが内容に適しているか否かはサイトの評価においても重要な情報であるため、必ずテキストで設定するようにしましょう。
⑨同じキーワードでのページ重複を防ぐ
同じドメイン上で設定キーワードが同一、かつ内容が似通ったページが存在すると、どのページがどのキーワードなのか、クローラーが正確に認識されにくくなってしまいます。
また、前述したコンテンツの重複として、低評価の対象となってしまいます。
なお、これはタイトルやdescriptionタグ内の文章の重複においても同様です。
すでにそのようなページが存在する場合は、該当記事の削除や、より評価を優先したいページに対してリダイレクトさせる、canonicalタグを使い、優先度の高いページであることをクローラーに理解させるなどの対策が効果的です。
⑩画像のキャプション・altを設定する
ページ内に配置する画像にキャプションやaltを設定しないと、その画像とコンテンツとの関連性を示せないため、クローラーに読み取ってもらえません。
より高い水準のSEO対策を狙うのであれば、キャプションとaltの設定を忘れずに行いましょう。
キャプションとaltを設定することにより、クローラーに画像の情報を伝えることができます。
さらに音声ブラウザで再生されることも考慮し、不自然にならないテキストにしましょう。
なお、altは、画像リンクの場合は、アンカーテキストに相当します。このことからも、altに適切なテキストを付与することは重要です。
また、ファイル名も「image1.jpg」など便宜的なものにせず、どのような画像なのかがわかるファイル名にしておくと、画像検索からの流入を誘う対策にもなります。
まとめ
自サイトをGoogle検索の上位に表示させるためには、クローラーに正しくサイトを理解してもらうことが重要です。
そのため、SEO内部対策が必須の命題となります。
内部対策は、以下の達成を目的としています。
・クローラーに巡回してもらう
・クローラーにサイトを正しく理解してもらう
クローラーとは、Google検索エンジンにおけるサイト情報の収集プログラムのことです。クローラーは、高頻度・効率的にサイト内を巡回し、情報を収集し、「インデックス」します。
インデックスされた情報をもとに、Googleに高く評価したページが、検索で上位に表示されます。
そのため、上位表示させるためには、クローラーに正しく情報を認識してもらうための内部対策は、必須であるといえます。